浴室のカビとは
前回投稿したブログで『掃除しにくいハウスクリーニングランキングNO3』として紹介しました浴室ですが、
今回は『浴室のカビ』について見ていきたいと思います。
カビの種類
浴室に生えるカビにはどんなものがあるのでしょうか。
大きく分類して5種類のカビを説明致します。
1つ目『赤カビ』
(赤かげではありません。このダジャレがわかる人は40代以上だと思います。・・・どうでも良いけど)
浴室ではよくピンク色のヌメヌメしたものが出てきたりしますが、これがいわゆる『赤カビ』です。
浴室で見たことがないあなたも、洗面台や食器カゴの受け皿、冷蔵庫の製氷タンク
または加湿器等でピンク色のヌメリを見たことは?と問うと、
『ああ、あれね!』とピン!とくるはずです。
この『赤カビ』と呼ばれているピンク色のヌメヌメしたもの、・・・なんと実はカビではないのです!。
それは、『ロドトルラ』という酵母菌の1種なのです。ちなみに、酵母もカビも同じ真菌類ではあります。
『ロドトルラ』は水のある場所なら栄養があまりなくても、どこにでも発生します。
酵母なのでカビの様に根を張らないため、水でも簡単に落ちやすいのですが、繁殖力がハンパないです。
繁殖スピードは黒カビの10倍とも言われ、5~6日で数十億にまで一気に増え続けます。
まるで、すぐやられるけど、どんどん現れる仮面ライダーの ”ショッカー” みたいですね。
この『ロドトルラ』はすぐ落ちるんですが、意外としぶとくて、こすり洗いしてもなかなか死なない。
いくつかの細胞が残っているだけで、超速で細胞分裂し、5~6日で数十億になるころには、
あのピンクヌメリ(なんか怪人の名前みたい)にまで成長します。
まさしく『ショッカー』ですね。
この『ロドトルラ』は弱小キャラのイメージですが、なめてしばらく放置してると、
温まって冷えて、濡れて乾いてをくりかえすうち、だんだんと落ちにくくなります。
特に、浴室のゴムパッキンのところに同化し始めると本当に落ちにくくなります。
私も落とすのに苦労した経験があります。
対策としては、早めにまめに(すぐ生えてくるので)除菌することです。
毒性ですが、『ロドトルラ』は人体に害はないといわれてます。
ただし、ロドトルラを足がかりに、有害な黒カビが発生しやすくなるので放っておけませんね。
・・・というかヌメッたピンク色の物体自体気持ち悪いですよね。
私なら早く除菌します。
2つ目『黒カビ』
『黒カビ』は別名『クロカワカビ』とも呼ばれていて正式名称は「クラドスポリウム」です。
あなたの部屋で見つかったカビが黒色だったら、このカビだと言ってもいいほど代表的なカビです。
あなたも浴室のゴムパッキンや隅っこの方に、いつのまにか、フテブテしく居座ってるのを
見たことがあるでしょう?
そんな湿気がこもる浴室や洗面所には至るところに出てきますが、他にも
- 結露ができて湿った場所・・・例えば、窓のサッシや壁・隅っこなど
- 生活水でしょっちゅう濡れているところ・・・キッチンの流し周辺や洗濯機など
更には、エアコン・押し入れにもいますし、
タオルのような備品などにもよ~く見ると付いてたりしています。
もう、どこにいてもおかしくない存在感です。
しかも、低温、乾燥に強くて、根を張るから(酵母でなくカビなので)頑固で取れにくい厄介者です。
毒性は、主なカビの種類の中でも少なめですが、それでも人の体内に入ると、
アレルギーや喘息の原因になることもあります。
こちらも見つけたら即、除菌したほうが良いですね。
3つ目『ススカビ』
俗名『ススカビ』ですが、正式名称は「アルテルナリア」です。
灰色や黒でホコリみたいな塊を作ります。
同じ黒なので、黒カビと見分けが付きにくいですが、冷蔵庫の中をよ~く見ると、
あちらこちらに黒い点々が付いてたりします。これが『ススカビ(アルテルナリア)』です。
『ススカビ』は冷蔵庫にいることからわかるように低温でも繁殖することができます。
浴室ではシャワーカーテンやビニールクロスについているやつと言えば、わかりましたか?
ススカビの胞子はとても軽いので部屋の空気中にフワフワ漂ってたりします。
難しい言葉で言えば「空中浮遊真菌」なんです。浮遊時間も長いです。
そんな旅人?『ススカビ』ですから、浴室以外でも
- 洗面所・トイレ・キッチン
- 排水口・エアコン
- 結露しがちな壁・押し入れや壁の隅
・・・といたる所に出現します。
しかも面だけでなく、空気中も・・・三次元攻撃です!時空も超えてしまったら、手も付けられませんね。
まあ、それはありえませんけど・・・。
ついでに言うと、私的には『まっくろくろすけ』のイメージがあるんですけどね。
『まっくろくろすけ』はトトロに出てくるおばあちゃんが
「ニコニコしとれば、悪さはしねぇし」と言ってました。
しかし、この『ススカビ(アルテルナリア)』はこいつがまた悪さをするんですよ~!
この『ススカビ』は胞子が大きいので鼻腔内に留まりやすく、アレルギー性鼻炎を引き起こしたりします。
花粉だけでなく、カビでも鼻炎になっちゃうのです。
なんとなくだけど花粉ならまだ許せますが(本当は許せませんが)、
カビだと思うと絶対に許せないと思っちゃいますよね。
速攻除菌!の気合いが入ります。
あと、体が弱って免疫不全状態だったりすると、皮膚病(皮膚真菌症)や
角膜炎を招いたりすることもあるので、ヤバイです。
(この場合のヤバイは悪い方のヤバイです。え!説明不要ですって?すみませんでした。)
上記の角膜炎の発症の補足説明ですが、抗菌やステロイドの点眼薬を長期または不適切に
使用していたりすると発症することがあるそうです。
治療のために角膜を切除しなければならなくなることもあるってことで、
あ~、怖!
このススカビは薬剤にも強いんですね。
薬も効きにくいんじゃ、早いうちに除菌しないとえらいこっちゃです。
紫外線にも強いそうで、やっぱり『まっくろくろすけ』ではありませんでした。
(理由・・・『まっくろくろすけ』は光が苦手)
4つ目『青カビ』
(青カゲではありません・・・。しつこくてすみません。)
俗名『青カビ』の正式名称は『ペニシリウム』です。
『青カビ』は説明しなくても皆さんご存知かと思います。
そうです!パンやミカンに生えている青緑のカビです。
浴室ではあまり見かけないけど、生える可能性は十分あります。
押し入れや壁にもいる時があります。
この『ペニシリウム』は分類のようなもので、菌は150種類ほどいます。
たくさんの種類がいるので、良い奴もいれば、悪い奴もいるんですね。
良い奴の『ペニシリウム』は、
チーズの製造 に、
- カマンベール・ブリーチーズ・ヌシャテル・バラカ等は『ペニシリウム・カマンベルティ』
- ゴルゴンゾーラは『ペニシリウム・グラーカム』
- ロックフォールは『ペニシリウム・ロックフォルティ』
などが使われています。また、
抗生物質ペニシリンは、青カビの『ペニシリウム・クリソゲナム』から作られます。
それに対して悪い奴の『ペニシリウム』は、体内に取り込むと腎臓病になるリスクがあります。
前述のパン・ミカンに生えてる青カビは、悪い奴です。(知ってますね。)
もちろん、浴室、押し入れや壁の隅っこなどにいる奴も悪い奴なので早めに除菌しましょう。
5つ目『白カビ』
(白カゲではないです・・・。これが最後です。許してください。仮面の忍者、赤影参上~ヤケクソなってます)
有名なのは食品製造時に使う白カビで、アスペルギルスでは、
- アスペルギウス・オリゼー(コウジカビ)・・・別名日本麹カビ。味噌・醤油の製造に使用。
- アスペルギルス・ソーヤ(コウジカビ)・・・別名醤油麹カビ。濃い醤油の製造に使用。
- アスペルギルス・タマリ(コウジカビ)・・・タマリ醤油の製造に使用。
他にもアスペルギルス・アワモリっていうカビがいて、これはタマリ同様、名前のまんま、泡盛の製造に使用してるんだって。アスペルギルス・カワチは焼酎に使用。これも日本語っぽいですね。
アスペルギルス・グラウクスやアスペルギルス・レペンスはギリシャっぽい名前だけど、鰹節の製造に使ってるということで、日本はアスペルギルスを食品でうまく利用してますな。
ユーロチウム(カワキコウジカビ)では
- ユーロチウム・ヘルバリオラム(カワキコウジカビ)・・・鰹節の製造。
などです。
白カビも菌種が160種類ほどと非常に多いです。『アスペルギウス』『ユーロチウム』は属名となります。
こちらも良い奴もいれば、悪い奴もいます。
食べ物に付くやつも上記のように良い奴もいれば、悪い奴もいますので、
食べ物についている白カビは良い奴ばかりと思わないでください。絶対に!
(白カビチーズのイメージがあるから気をつけないと。
ちなみにカマンベールやブリーチーズのカビは白色ですが、菌はペニシリウム属で、
ペニシリウム族は別名『青カビ属』なので、『青カビ』のほうで説明致しました。悪しからず。)
また、良い奴(カビ)も人間がうまく利用してるから良い奴になってるだけで、害を与える場合もあるので、注意が必要です。
別名『麹カビ』とか『醤油カビ』なんで、みんな良い奴(カビ)っぽいけど、100%ワルイ奴(カビ)もいます。
それは、浴室にも出てきますが、『アスペルギルス・フミガタス』ってやつ(カビ)はホコリが大好きで、お掃除さぼってホコリっぽくなってると、タンスや衣類が白カビだらけになったりします。
あと、ホコリっていうと、エアコンのフィルターってホコリ溜まりやすいですよね。また、換気扇とか・・・そういったホコリが溜まってるとこには『アスペルギルス・フミガタス』が潜んでる可能性大ですよ~(怖)。
なにが怖いってこいつ『アスペルギルス・フミガタス』をあなたが吸ってしまった場合、『アレルギー性気管支肺アスペルギルス症』(立派な病気です。)を引き起こして、手遅れになると、肺の組織が壊されて、呼吸不全におちいるという・・・また、『青カビ』同様、肝障害・腎障害を起こすことがあるって・・・ね!怖いでしょ!
以上、5種類のカビを紹介しましたが、カビは発ガン性のものもあります。早めに除菌しましょう。
自分で落とせない浴室のカビ
『結論、カビは早めに除菌する』ことは良くわかりましたが、
ショッカー・・・じゃないや『ロドトルラ』(赤かげ・・・じゃなく赤カビ!)くらいは
簡単に除菌できそうだけど、『赤カビ』の項目で書いたとおり、ゴムにしみこんだような
状態になってたりすると、なかなか取れません。
菌糸のない酵母(偽菌糸はあるみたい)ですら上記の様に手ごわいのに、
菌糸があって根の生えたカビはもっと除菌不可能なのでは・・・と思ったあなた!答えは・・・
正解です!!
では、どうすれば良いか?
プロのハウスクリーニングの方法
プロのハウスクリーニング方法ならば、完全な除菌も可能だ・・・と思ったあなた!答えは・・・
間違いです。
もちろん、プロのハウスクリーニングの方法は業者によって千差万別ですが、
一般の人と比べて、プロは実践でカビ達と戦ってきた経験も豊富だし、知識もあります。
プロのハウスクリーニング業者はあなたと比べて、比較にならないほど除菌しますし、
アカ・クロ・アオそして白いカビを見えなくすることは出来るでしょう。
(状態によってはできないこともあります)
けれども、カビは人類が生まれたはるか以前、5億年以上も前にはすでに存在していたと考えられています。
人類よりもはるかに長い間、カビは生き続けているのです。そして地球上の微生物の中で、
実に36%程度がカビであるとのことです。
そんな途方もない時を超えて今なおトップシェアを誇っているカビは、どんなに優れたハウスクリーニングのプロ
が除菌を施しても、すべてを除菌することは不可能ですし、すぐに入りこんできて自分の居場所(シェア)を確保
することが得意です。
カビの除菌対策
カビを撲滅して半永久的に除菌することは、どんなに優れたプロがハウスクリーニングを施しても不可能です。
やはり最良の方法としては、
- 信頼のおけるハウスクリーニングのプロに定期的にハウスクリーニングを依頼して、プロの定期クリーニングの間に、自分でできる簡単な対処法などを教えてもらい実行すること
- いくら信頼のおけるプロにハウスクリーニングしてもらっても、決して油断しない(すぐカビは忍び寄ってくると認識しておく)。
上記2点を心掛けることが、もっともカビと無縁に近い状態で日々を快適に過ごせる方法と思われます。
しかし、今回記事を書いてみて、最初カビの温床は浴室が一番と思ってましたが、
書き進めていくうちに部屋の至るところがカビの温床であると改めて認識し直しました。
あなたの生活に最も密着したあなたの大事なお部屋が、幸せをもたらす素敵な場所となるために、
上記方法を試してみてはいかがでしょうか。