床に合わせたハウスクリーニング対応とワックスの関係

今回は前回に予告致しました、多様となっている(フローリング)に合わせたハウスクリーニングについてお話ししようと思います。そしてワックスの関係も・・・。

前回では無垢床をメインにしてハウスクリーニング的にいろいろと書かせて頂きました。

今回は無垢床以外の床のハウスクリーニングについてですので、無垢床についてご覧になりたい場合は前回記事を参照ください。

前回記事:http://t-success.info/flooring-mukuyuka-housecleaning/

それでは、いきましょう~

床(フローリング)の種類≪無垢床以外≫と特徴

床(フローリング)の種類≪無垢床以外≫と特徴

前回記事の終わりに確認しました床(フローリング)の種類について、簡単に説明していきます。

  • 1.合板(複合)フローリング(表面:木タイプ)
  • 2.合板(複合)フローリング(表面:シートタイプ)
  • 3.クッションフロア・シート
  • 4.重ね貼り用フローリング(リフォーム用)
  • 5.床暖房用フローリング
  • 6.ペット用フローリング

前回では無垢床以外の床(フローリング)を上記6つに分類致しました。

それでは一つ一つ見ていきましょう。

1.合板(複合)フローリング(床材)(表面:木タイプ)

フローリング(床材)の代表的なタイプです。これは合板の上に化粧板を張り付けた床材です。

化粧板部分が0.5mm~1mm位の薄ーい板を貼っつけて、大量生産&コストダウン化させた、いわゆる高度成長期の産物ですね。

これが良く出来てまして、下地が合板なものだから、『膨張・収縮・反り・ねじれ』といった無垢床の欠点がありません。また、品質にバラツキがなく安定してしかも安い!といったまさしく高度成長期に最も要求されていた要素を兼ね備えております。あの頃はみ~んな同じものを欲しがってたもんね~・・懐かし~。

この高度成長期の寵児である『合板フローリング(床材)』は時代の要求に対応するべく進化しており、2~3mmの厚手の化粧板を貼り付けて(挽き板タイプともいいます。化粧板をのこぎりで挽いて作ったからでしょうね。ちなみに0.5mm~1mmの薄手の化粧板のものは突き板タイプといいます。)、無垢床の様な質感を出しているものもあります。

2.合板(複合)フローリング(床材)(表面:シートタイプ)=シートフローリング

合板(複合)フローリングの中でも、表面に木材をプリントした樹脂シートを化粧材として貼りつけたものが『シートフローリング』です。

表面の樹脂シートは衝撃に弱く(ペラペラですからね~)、水や摩擦にも弱いので、保護する処理(EB処理)をしています。それでも家具をひきずったり、とんがったもので引っ掻いたらビリビリになってしまい、どうしよ~うもなくなる時があります。

あと、シートを貼り付ける部分ですが、実は合板より、MDF(チップになってる木を合成樹脂で四角く熱圧成形したいわゆる木質繊維版のこと)の方が多く使われていると思います。身近なものではカラーボックスなんかに使われていますね。
ほら、カラーボックスの断面みると合板じゃなくて、コルクっぽいじゃないですか。あれがMDFです。

このMDFは『膨張・収縮・反り・ねじれ』に強く、合板にあまりないクッション性も高いものが多いので良いのですが、水に弱く、アルカリ性洗剤にも弱いです。

10年ほど前に流行った気がするのですが、最近では減っているといった声も聞きます。

3.クッションフロア・シート

クッションフロア・シートは床材ではありますが、フローリングではありません。

でも昨今の技術革新はめまぐるしく、この演歌・・・しゃなかった塩化ビニル素材のクッションフロアに木目フローリング模様のものが部屋一面に敷き詰められているのを良く見かけます。賃貸物件に多いですけどね。

良く出来ていて『え、この床=フローリングじゃないの?』って言う人もいます。まあ、踏んだ時のプニュッと感が塩ビの感触なんですぐわかりますけど・・・。その踏んだ感じ=クッション性にも優れています。

ちなみに、上に貼ってある画像はフローリング柄のクッションフロア・シートなんですよ。
ネ!画像ではまるで木のフローリングでしょ。

クッションフロアの床は物を落としても音を吸収して、下の階に響かない特性も備えているのでアパートやマンションなど集合住宅に多く使われているようです。

あと、耐水性に優れているため、洗面所・お風呂の脱衣所・トイレ・キッチンなど水周りによく使われていますね。

4.重ね貼り用フローリング(床材:リフォーム用)

フローリングが経年劣化したり、お部屋の雰囲気を変えるためにお手軽に床をリフォームするのに『レイヤー工法』というのがあります。

レイヤー=『重ねる』という意味とおり(ファッションのレイヤーカットとは意味がちょっと違いますが)、古い床(フローリング)の上に重ねて貼ることで、古い床(フローリング)や巾木等を剥がしたり、廃棄したりする手間と費用が掛からずに、手軽に施工できます。そのまま両面テープ等でペタっと貼るだけです。
しょっちゅうお部屋のイメチェンをしたい人や汚れたら張り替えるといった使い捨て感覚で使っている人も多いようです。

素材はシートフローリングの表面部分と同じ素材の樹脂シートや木のものがあり、1.5mm~の薄いものです。

5.床暖房用フローリング(床材)

床暖房が入ると温度変化が急激に変わるため、膨張・収縮を繰り返し、ねじりや反りやすい無垢床は不向きとされていましたが、最近の技術で協力に乾燥させることにより、床暖房用無垢床も販売されるようになっています。

なので床暖房用フローリング(床材)は無垢床も複合フローリングもありますので、あなたのお部屋に床暖房がありましたら、どちらのタイプか確認したほうがよいと思います。

床暖房用に処理されていたとしても、無垢床なのに濡れ雑巾で毎日拭いていたりしたら・・・温度と湿気の両方から攻撃されて隙間や反りが激しくなるかもしれません。日々のハウスクリーニングも無垢床のほうが気を使わなければならないので、無垢床か複合フローリングか、確認してみましょう。

6.ペット用フローリング

ペットというと日本では犬・猫が圧倒的に多いですね。犬(ワン)ちゃんや猫ちゃんは床を引っかいたり、掘ったり、フローリングのつなぎ目で爪を研いだり、おしっこをしたり、食べ物を落としたり・・・かなり床(フローリング)はいじめ抜かれるわけですね。でも犬(ワン)ちゃん・猫ちゃんも大変で、無垢床や合板フローリングだとすべるので、股関節脱臼や腰の病気になりやすいとのことで、滑り止めも考慮しないといけない・・・

上記のような問題を解決すると謳ったペット用フローリングもありますが、私的にはクッションフロア・シートが一番良いのではないかと・・・

クッションフロア・シートは

1.柔らかく、衝撃吸収力が高い・・・ペットの足腰に負担がかからず、走り回っても、下のフロアに響かない。

2.滑りにくい素材である・・・ペットが走り回っても足腰に負担がかからない。

3.耐水性に優れ、汚れに強い・・・排泄物が沁み込んだりしにくいので処理しやすく、清潔感を保ちやすい。

4.比較的リーズナブル・・・引っ掻いたり、穴を掘られても、リフォーム代が安価ですむ。

ということで、あなたがこれからペットを飼う予定だったり、既に飼っていて上記の様なハウスクリーニング的な悩みがありましたら、参考にして頂ければ幸いです。

床材(無垢床以外)のハウスクリーニング方法

床材(無垢床以外)のハウスクリーニング方法

無垢床以外と書きましたが、乾いた雑巾かけは1週間に1度位はどんな床であれ実施してほしいです。

ホコリ・チリに加え、髪の毛・フケ・皮脂・食べカスなどあるだけでも不快ですが、そういったものがあるとダニが繁殖しますので健康的にもよろしくありません。(『ハウスクリーニングなら定期清掃がおすすめです。その理由は?~』を参照ください)http://t-success.info/teikiseisou-osusume-hindo-housecleaning/

ただ、濡れ雑巾での拭き掃除や落ちにくい汚れを取るときに薄めた中性洗剤を使うことは、無垢床の時ほど、気を遣う必要はありません。

湿気(水分)・洗剤・温度変化に気を遣う順位としては

1位 無垢床

2位 シート・フローリング

3位 合板フローリング

4位 クッション・フロア

(上記 4.重ね貼用フローリング5.床暖房用フローリング 6.ペット用フローリングは用途別区分けであり、素材がいずれも複数あり、1位~4位のいずれかに当てはまりますのでランク付けしてません。)

となります。気を遣う程度はどの程度というと、一概に言えないのですが、ぶっちゃけ私の部屋のハウスクリーニング法をお話します。

私の部屋のハウスクリーニング法

私の家は複合フローリングなんですが、お掃除の仕方として、ほぼ毎日、気になるホコリやごみ・髪の毛などを小さな刷毛と塵取りで取ります。
そして週1回~2回 濡れ雑巾で拭きます(米のとぎ汁がある場合はとぎ汁を雑巾に含ませます。米のとぎ汁はワックス効果があるといわれています。私の家はほとんどワックス掛けをしてません。)
濡れ雑巾はそんなに固く絞らない状態で10年以上やり続けていますが、床は膨らんだり、反ったりなどせず、普通に綺麗な状態を保っています。

昔から床は『硬く絞った雑巾で拭く』と言われていたのですが、汚れを落とすにはある程度濡れているほうが手っ取り早く落とせるし、別に大丈夫じゃね?・・・という気持ちもあったし、水に弱いワックスもあまりかけておりませんでした。
なので、そんなに気を遣うことなく、時には雑巾をビタビタに濡らして拭いていました。でも今まで問題なく、普通に綺麗さを保ち続けています。

但し、脱衣所のフローリング(ここも合板です)の一部にいつも湿ったマットを敷いていたら、最初、目地部分に沿って膨らんできて、そのあと表面の化粧板が剥がれ始めてきました。おそらく、保護状態の薄い目地部分より水分が入り続けたためと思われます。なので長時間湿った状態にしておくと、床にとってマズイことはあきらかです。

以上が私の部屋のハウスククリーニング法なのですが、まあ、住んでる場所の全体の環境や状態によっても違うでしょうし一概に言えません。

例えば、ワックスは私の家ではほとんど塗ったことがないのでトラブルがないのかもしれません。
ワックスは水分に反応して白くなったり、剥がれたりする場合があるので、あなたがワックス掛けを良くするのであれば、問題が出てくる可能性はあります。

合板(複合)フローリング・シートフローリング・無垢床の比較

要するにワックス掛けは年1回か数年に1回ほどで、床は一般的な合板(複合)フローリングやクッション・フロアの素材の場合、水拭きしてもすぐに乾拭きしたりして、速やかに乾かせばそんなに問題にならないように思います。(あなたが上記のような私の部屋のハウスクリーニング法を実施しても、あくまで自己責任でお願いしますね。)

無垢床はその素材の良さを生かすために、コーティング処理しないで使用してる場合も多く、1枚板なので、どしたって他の素材に比べ、『膨張・収縮・反り・割れ』しやすいですよね。

シート・フローリングもシート部分は撥水性のあるものが多いのですが、シート自体が薄く、その下地のMDF(木質繊維版/上記説明参照)は水や洗剤に弱いところがあるので、注意が必要です。

上記2つの床材質のものは極力洗剤を使わずに固く絞った雑巾で拭く方が良いでしょう。

ワックスの効果

ワックスの効果

先ほどちょっと話に出てきた『ワックス』について話しますね。まずワックスの効果から話します。

  • 1.床の保護

ワックスの塗膜が床への衝撃やキズから守ります。

  • 2.床の美観向上

ワックスの塗膜は床の微細な凹凸を埋め、フラットな状態になるため、光が均一に反射してツヤを生み出します。

  • 3.掃除の軽減

ワックスを塗ることにより、静電気が減り、床の凹凸がなくなるため、ゴミや埃が付きにくくなります。

ワックスの種類

ワックスの種類

次にワックスの種類を確認します。

ワックスには大きく分けて以下の3種類があります。

1.油性ワックス

無垢床やオイル塗装(オイルステインや油脂を使った塗装)に使用するワックス。

2.水性ワックス

樹脂ワックスも水性ですが、こちらはロウ(天然または合成)を主成分にしたもの。塗った後に空拭きしなければいけないし、強度・耐久性とも乏しくてしょっちゅう塗り直ししなければいけないので、現在はあまり使われていないようです。

3.樹脂ワックス

現在の主流ワックス。水性樹脂ワックスとも言う。成分としてはウレタン樹脂とアクリル樹脂それに両者(ウレタン・アクリル)を混ぜた混合樹脂があります。

 

ワックスは上記3種類に分けることが出来るのですが、ここではもう少し現在主流のワックス=樹脂ワックスに関して説明します。

樹脂ワックスはウレタン樹脂とアクリル樹脂があると説明しました。この二つの樹脂の特徴をお話します。

ウレタン樹脂ワックス・・・摩擦に強く、強靭かつ柔軟性を併せ持つ。粘度が強くて重ね塗りが難しい。

アクリル樹脂ワックス・・・透明感ある光沢。密着性・浸透性には優れるが柔軟性に乏しい。

混合樹脂(ウレタン+アクリル)ワックス・・・両者の良さを併せ持っています。

床材(フローリング)とワックスの関係

床材(フローリング)とワックスの関係

床材とワックスって相性があるようですが、上記『ワックスの種類』の項の

1.油性ワックスは無垢床やオイル塗装を施した床向け。
2.水性ワックスは現在あまり使われていません。

なので、この項では3.樹脂ワックスに絞って話を進めていきます。
また床の素材だけでなく、床の状態によってもワックス使用の可・不可が変わるので、その辺をおさえときましょう。

樹脂ワックスと床材の関係

樹脂ワックスは無垢床には使用できないものが多いので注意が必要です。油性ワックスの場合も無垢床用と書いてあっても、一応業者に確認したほうが良いです。

樹脂ワックスは合板フローリング(木)との相性が一番良いです。
但し、合板フローリングに樹脂(ウレタン・UVウレタン)塗装やコーティング処理されている場合は水やワックスをはじくため、ワックスはかける必要がないというか、かけられないです。

最近では耐用年数が10~20年以上と謳っているガラスコーティングやシリコンコーティングもあるようです。
そういったものにはワックスは必要ないですね。

シートフローリングもほとんど表面に保護処理をしていて、ワックスフリーを謳っているものがあります。そういったものにワックスを掛けると、かえって汚れますので、施工業者に確認しといたほうが良いです。

クッションフロアは水や汚れに強く、すぐに拭き取れば綺麗さ維持しやすいので、必ずしもワックスは必要ありませんが、ワックスを掛ければ汚れや傷防止にもなります。
但し、クッションフロア専用のワックスはありません。かといってフローリング専用のワックスではまずいです。
『クッションフロア対応』と記してあるものを使用しましょう。

最近はワックス以外に床を保護する技術も進歩しているので、やみくもにワックスを掛けてしまうと、逆効果になる場合があります。基本ワックス掛けの要・不要は施工業者に一度確認しましょう。
一度聞けばすむんですから。

まとめ(床とワックスとハウスクリーニング)

まとめ(床とワックスとハウスクリーニング)

床に合わせたハウスクリーニング法とワックスの関係をつらつら述べさせていただきましたが、参考になりましたでしょうか?

今回はワックスの掛け方を書けなかったので、次回はそのあたりをお話したいと思います。それでは・・・

あなたと最も密接なつながりのある大切なお部屋が感動と幸せをもたらす素敵な場所となるために・・・
上記方法を試してみてはいかがでしょうか。